猛暑で増える胃腸炎!予防と早期対処のポイント
毎年夏になると、急な腹痛や下痢、吐き気で受診される患者さんが増えてきます。
実はこの時期、胃腸炎の発症率が一年の中でも高くなる季節なのです。
「夏バテかと思っていたら胃腸炎だった」
「冷たいものを食べすぎてお腹を壊した」
そんな経験はありませんか?
今回は、猛暑に多い胃腸炎の原因・症状・予防法・早期対処法について、わかりやすく解説します。
夏に胃腸炎が増える理由とは?
胃腸炎とは、ウイルスや細菌、あるいは物理的・化学的刺激によって胃や腸の粘膜に炎症が起こる状態のことです。
夏場に多くなる背景には、次のような要因が挙げられます。
① 食中毒リスクが高まる
高温多湿の環境では、細菌やウイルスの繁殖が活発になります。調理後の食品の保存状態が悪かったり、生ものを口にすることで感染が起きやすくなります。
② 冷たい飲食物の摂りすぎ
冷たい飲み物やアイスなどを摂りすぎると、胃腸が冷えて消化機能が低下します。腸の動きが乱れて下痢や腹痛を起こすこともあります。
③ 暑さによる自律神経の乱れ
猛暑による睡眠不足、冷房による冷え、温度差ストレスは、自律神経の乱れ=胃腸の働きの不安定化を引き起こします。
④ 水分補給と一緒に病原体を取り込む
水分補給用の飲料水や氷が不衛生だと、ノロウイルスや細菌感染のリスクが高まります。旅行先や屋外イベントでの注意が必要です。
主な症状──こんな症状が出たら要注意!
- 急な腹痛(特に下腹部)
- 吐き気、嘔吐
- 下痢(水様便や粘液便)
- 発熱(38℃前後)
- 食欲不振、胃もたれ
- 倦怠感、脱水症状(口の渇き、めまい)
症状は原因や体調によって異なりますが、突然始まることが多いのが特徴です。
原因によって異なる「胃腸炎のタイプ」
◆ ウイルス性胃腸炎
代表:ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど
感染力が強く、嘔吐・下痢を中心とする症状。冬が多いですが、夏場にも発症します。
予防には手洗いの徹底と感染者との接触回避が重要です。
◆ 細菌性胃腸炎(食中毒型)
代表:カンピロバクター、サルモネラ、O157など
発熱や腹痛、血便を伴うことがあります。生肉・加熱不足の食材による感染が多く、症状が強ければ抗生剤の使用が必要な場合もあります。
◆ 化学性・薬剤性胃腸炎
暴飲暴食、アルコール、NSAIDs(痛み止め)などによって胃腸が刺激され、炎症を起こすタイプです。
胃腸炎の予防5つのポイント(夏編)
- 手洗いを徹底する
帰宅時・トイレ後・食事前には石けんで30秒以上の手洗いをしましょう。 - 調理と保存に注意
肉や魚は中心まで加熱し、調理後はすぐ冷蔵庫へ。まな板・包丁の消毒も忘れずに。 - 水や氷の衛生状態に注意
旅行先では生水・氷を避け、ペットボトルの水を選びましょう。 - 冷たいものを摂りすぎない
胃腸の負担にならないよう、常温や温かい飲み物も取り入れましょう。 - 免疫力を高める生活を意識
睡眠・栄養・運動のバランスで、暑さに負けない体づくりをしましょう。
胃腸炎かな?と思ったら早めの対応を
以下のような場合には、医療機関への受診をおすすめします。
- 嘔吐・下痢が数日続く
- 高熱を伴う
- 水分が取れず脱水が疑われる
- 血便や黒い便が出た
- 高齢者・持病のある方
当院では、ウイルス・細菌の鑑別、点滴・内服治療、内視鏡や腹部エコーなどを活用し、丁寧に診療いたします。
まとめ:夏こそ、胃腸への思いやりを
夏は暑さで食事や睡眠が乱れ、胃腸も疲れている季節です。
胃腸炎は予防が可能な病気ですが、発症してしまったら早めの対応が大切です。
「様子を見ていたら悪化した」
そうなる前に、お腹の不調を感じたら無理せず受診を。
早期診断・治療で、つらい症状を早く改善しましょう。
胃腸のトラブルでお困りの方は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。
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