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睡眠時無呼吸(SAS)外来

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群とは、主に睡眠中に空気の通り道である上気道が狭くなることによって無呼吸状態(10秒以上呼吸が止まる事)となり、大きないびきを繰り返す病気のことです。成人男性の約5%、成人女性の約3%程度に見られる比較的頻度の高い病気です。睡眠中の無呼吸やいびきによって良質な睡眠が妨げられ、日中の眠気などを生じます。また、睡眠中に体内の酸素量が不足しがちになることで全身のさまざまな部位に負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中など命に関わる合併症を引き起こしやすくなるといわれています。
主な原因は肥満による喉周りの脂肪が多いですが、顎が小さい、舌が大きい、扁桃が大きいといった生まれつきの身体的特徴や慢性的な鼻炎などが原因となることもあります。
睡眠時無呼吸症候群は単なるいびきと軽く考えられがちですが、日常生活の質を落とすだけでなく、重度な合併症を引き起こすこともあるため、できるだけ早く原因となる肥満の改善や治療を行うことが必要です。

原因

睡眠時無呼吸症候群は、無呼吸の原因によって閉塞性睡眠時無呼吸症候と中枢性睡眠時無呼吸に分類される。

閉塞性睡眠時無呼吸

主に肥満などの影響で喉の空気の通りが悪くなっている人が発症します。脳は呼吸せよと命令を出してますが、空気の通りが悪くて上手く呼吸ができないタイプです。
首周りの脂肪は仰向けの状態で横になると重力にしたがって気道を圧迫するため、上気道のスペースが狭くなります。
そのほかにも生まれつき舌や扁桃、アデノイドが大きかったり顎自体が小さかったりすることで、横になると舌根沈下(舌の根元が喉に垂れ下がって上気道が狭くなる)などが生じやすくなることも大きな原因となります。
成人の睡眠時無呼吸症候群は肥満によるものがほとんどですが、小児では生まれつきの身体的特徴が原因になることもあります。

中枢性睡眠時無呼吸

寝ている間に呼吸をする命令が脳から正しく出ないタイプです。はっきりとした発症の原因は分からないことも多いですが、心不全や腎不全を発症している場合や脳梗塞や脳出血の後遺症、生まれつき脳に形質異常があるケースなどで発症しやすいとされています。

症状

睡眠時無呼吸症候群の症状の特徴は、睡眠中のいびきと無呼吸状態を繰り返すことです。このため、睡眠時無呼吸症候群を発症すると睡眠が浅くなりがちになり、日中の眠気や起床時の頭痛などを引き起こします。また、長期間にわたると日中の倦怠感がでたり、集中力の低下や注意力が散漫となり、居眠りなどによって思わぬ事故を起こしやすくなることも問題とされています。
さらに、成人の睡眠時無呼吸症候群では、高血圧や脳卒中、心筋梗塞などが起こる危険性が通常より3~4倍も上昇することが分かっています。

検査

簡易モニター

簡易モニターによる検査は自宅で行えて、費用面の負担も軽いというメリットがあります。無呼吸低呼吸指数が40以上でCPAPの導入を行います。無呼吸低呼吸指数が40未満の場合は精密検査が必要となります。

ポリソノグラフィー(PSG)

簡易モニターで検査後に無呼吸低呼吸指数によって行う精密検査です。
脳波、筋電図、心電図、呼吸モニター、血中酸素モニターなど多数の測定機器をつけながら一晩寝ることにより、無呼吸・低呼吸の回数だけでなく、眠りの質や体位と無呼吸の関係など様々な項目が分かります。また、閉塞性と中枢性の無呼吸を区別することもできます。

画像検査

喉や鼻、舌の異常によって引き起こされることもあるため、CT検査などで器質的な異常がないことを確かめることもあります。

治療

生活指導

睡眠時無呼吸症候群の多くは肥満によるものであるため、減量を目指した食生活の改善や運動習慣の定着などの生活指導を行います。その他治療を行っている患者様も継続して行う必要があります。

経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)

簡易モニター検査やPSGの結果によって行います。睡眠中にマスクから強制的に空気を送り込んで狭くなった気道を広げます。当院では主にSEFAM社製の新CPAP装置「Nea」をレンタルしております。

マウスピース

顎が小さい、舌が大きいなどの原因で睡眠時無呼吸症候群を発症している場合は、下顎を前方へ移動させるようなマウスピースの装着が行われることがあります。必要に応じて歯科病院にご紹介し、マウスピースの作製を行って頂きます。

手術

基本的にはCPAP等の治療が優先されますが、閉塞性SASの人では、空気の通り道が狭いことが原因となるので、通り道を広げるような手術が行われることもあります。手術は大きく分けて2種類あり、耳鼻科で扁桃腺や鼻などに対する手術を行うものと、口腔外科や形成外科などで顎の骨などに対する手術を行うものがあります。

治療後

CPAP等の治療を行い、睡眠の質が上がると心筋梗塞や脳血管障害のリスクを減らすだけでなく、日中の眠気や倦怠感がなくなり、生活の質を上げることができます。また高血圧の原因にもなるためなかなか下がらなかった高血圧が改善することもあります。

当院での治療

当院ではCPAP開始後落ち着いてきたらオンライン診療で定期受診することができます。通院が困難で困っている方がいれば是非一度ご相談ください。
またご本人の症状はもちろんですが、一緒に住む家族の気になるいびき等があれば一度ご相談ください。

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