動脈硬化を防ぐ生活習慣|食事・運動・検査でできる予防法
動脈硬化は自覚症状が出にくく、気づかないうちに心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めます。日常生活でできる「食事」「運動」「検査」「禁煙」などの具体的な対策を、わかりやすくまとめました。横浜市鶴見区の鶴見小野駅前内科・内視鏡クリニックが解説します。
そもそも動脈硬化とは?簡単な解説
動脈硬化は、動脈の内側に脂肪や炎症が蓄積して血管の壁が厚く・硬くなる状態を指します。進行すると血管が狭くなったり、プラークが破れて血栓ができやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞など重大な合併症を引き起こします。
主な原因は高血圧・高コレステロール(脂質異常)・糖尿病・喫煙・加齢などです。これらは「動脈硬化の危険因子」と呼ばれ、複数併存するほどリスクが増します。
なぜ予防が重要なのか
動脈硬化は一度進行すると完全に元に戻すのが難しい一方で、早期に生活習慣を正すことで進行を遅らせたり、リスクを大幅に下げることが可能です。予防は「健康寿命」を延ばし、介護リスクや医療費の低減にもつながります。
食事でできること:毎日の積み重ねが大切
食事は最も取り組みやすく、効果の大きい対策です。ポイントは「脂質の質」「食物繊維」「塩分と糖質の管理」です。
脂質の質を見直す
飽和脂肪酸(バター・ラード・脂身の多い肉)は控えめにし、不飽和脂肪酸(青魚、ナッツ、オリーブオイル)を積極的に取り入れましょう。DHA/EPAは血中中性脂肪を下げ、血管の炎症も抑える効果があります。
食物繊維を毎食に
水溶性食物繊維(オートミール、海藻、豆類、果物)はコレステロールの吸収を抑えます。不溶性食物繊維は腸の蠕動運動を助けます。目標は1日20〜25gを意識しましょう。
塩分・糖分の摂取をコントロール
高血圧は動脈硬化を促進します。塩分は1日6g未満を目安に。加えて、過剰な糖質や甘い飲料は肥満や高中性脂肪の原因となるため注意が必要です。
食事の工夫(実践例)
- 朝食にヨーグルト+オートミール+果物を取り入れる
- 週に2〜3回は青魚(サバ・イワシ・サンマ)を食べる
- 揚げ物や加工食品を週数回以内に制限する
- 調味はハーブや酢、レモンを活用し減塩を意識する
運動でできること:有酸素+筋力で二重の効果
運動は血圧、血糖、脂質の改善に有効です。特に有酸素運動は血管の機能改善に直結します。
有酸素運動(週150分の目標)
速歩やジョギング、サイクリング、水泳などを合計で週150分程度行うことが推奨されます。1回30分×週5回など、無理のない継続が鍵です。
筋力トレーニング(週2回程度)
筋トレは基礎代謝を上げ、内臓脂肪の減少を助けます。スクワットやプランク、レジスタンスバンドを用いた軽い負荷で十分です。
日常での工夫
- オフィスワーク中は1時間ごとに立ち上がる
- エレベーターではなく階段を使う
- 通勤を徒歩や自転車に切り替える
禁煙・節酒・その他の生活要因
喫煙は血管内皮を傷つけ、動脈硬化を加速します。禁煙はリスク低減に非常に効果的です。アルコールは適量(男性で純アルコール20g/日程度)を守り、休肝日を設けましょう。
また十分な睡眠とストレス管理(マインドフルネス、適度な休息)も、ホルモンバランスや食行動に良い影響を与えます。
定期的な検査で「見えないリスク」を早期発見
生活習慣改善と並行して、検査でリスクを把握することが重要です。以下は有用な検査項目です。
| 検査 | 目的 |
|---|---|
| 血液検査(脂質プロファイル) | LDL/HDL/中性脂肪を測定し、脂質異常の有無を確認 |
| 血糖・HbA1c | 糖尿病の診断・管理。糖代謝異常は動脈硬化を促進 |
| 血圧測定(家庭血圧含む) | 高血圧は最大の危険因子の一つ |
| 頸動脈エコー | 頸動脈のプラークや内膜・中膜厚(IMT)を評価し動脈硬化の程度を把握 |
| ABI(足関節上腕血圧比) | 末梢動脈疾患のスクリーニング |
| 心電図・心エコー・冠動脈CT | 心臓血管の評価(必要に応じて) |
※検査は年齢や既往歴に応じて医師と相談して実施します。健診で異常があれば速やかに精密検査を。
薬物療法が必要な場合とは
生活習慣の改善を続けても目標値に達しない場合や、心血管疾患の既往がある高リスク群では薬物治療が推奨されます。代表的な薬剤は以下の通りです。
- スタチン:LDLコレステロールを下げ、心血管イベントを減らす最も一般的な薬
- エゼチミブ:腸でのコレステロール吸収を抑制
- 降圧薬:高血圧があれば血圧をしっかり管理
- 糖尿病薬:GLP-1受容体作動薬等は体重や心血管リスク低減に寄与する場合がある
薬は個々のリスク・副作用を考慮して医師が選びます。自己判断で中断しないでください。
日常で続けやすい実践プラン(4週間プログラム)
具体的な行動計画は継続の鍵です。初めの4週間の例を示します。
- 週0(準備):健診結果を整理。食事日誌を3日間つける。
- 週1:朝にオートミールor雑穀、ごはん+おかずで野菜を増やす。通勤で20分のウォーキング。
- 週2:週2回の筋トレ(自重スクワット等)を開始。間食は果物かナッツに置き換え。
- 週3:夕食の揚げ物回数を減らし、週に2回は魚中心に。酒は休肝日を2日に。
- 週4:家庭血圧・体重・歩数を記録。改善点を医師と共有し次の目標を設定。
小さな習慣の積み重ねが数値の改善につながります。
よくある質問(FAQ)
Q. 「良いコレステロール(HDL)」を増やす方法は?
A. 有酸素運動、禁煙、適度なアルコール摂取(節度ある量)でHDLが増える傾向があります。食事ではナッツや魚が有用です。
Q. 家族に心臓病の既往がある場合はどうすれば良い?
A. リスクが高くなる可能性があります。早めに医療機関で血液検査や心血管リスク評価を受け、必要ならより厳格な目標設定と治療を行います。
Q. サプリメントは有効ですか?
A. 一部(EPA製剤など)は有効性が示されていますが、サプリは医薬品の代替にはなりません。摂取前に医師と相談してください。
横浜市鶴見区で動脈硬化リスクをチェックしたい方へ
鶴見小野駅前内科・内視鏡クリニックでは血液検査・頸動脈エコーなど、動脈硬化評価の検査と生活習慣の個別指導を行っています。気になる方はWEB予約またはお電話でご相談ください。
まとめ
- 動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞の原因となるため、早期予防が重要です。
- 食事(脂質の質・食物繊維・減塩)、運動、禁煙・節酒、体重管理が基本対策です。
- 定期的な検査でリスクを把握し、必要に応じて薬物療法を行います。
- 継続できる小さな習慣を積み重ねることが最大の予防法です。
まずは一度、生活習慣の見直しと検査で現状把握を。私たちが一緒にサポートします。
