ピロリ菌
ピロリ菌とは?
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の粘膜に生息する細菌で、胃炎や胃潰瘍、さらには胃がんの原因にもなることが知られています。日本では50歳以上の方の多くが感染しているといわれています。
感染経路
主に幼少期の口から口への接触(家族間など)や、不衛生な水・食べ物を介して感染すると考えられています。一度感染すると自然には消えにくく、長期間胃の中に住み続けて炎症を引き起こします。
ピロリ菌に感染するとどうなる?
ピロリ菌に感染していると、次のような疾患を引き起こす可能性があります:
- 慢性胃炎(萎縮性胃炎)
- 胃・十二指腸潰瘍
- 胃ポリープ
- 胃がん(特に萎縮性胃炎の進行によるリスク増加)
- MALTリンパ腫
感染していても自覚症状がないことが多く、健康診断などで偶然見つかるケースもあります。
ピロリ菌の検査方法
当院では、以下の方法でピロリ菌の有無を調べることができます:
- 尿素呼気試験(確定診断に使用)
- 便中抗原検査
- 血液検査(抗体検査)
- 内視鏡検査中の生検検査
胃カメラ(上部内視鏡検査)で慢性胃炎や萎縮が認められた場合は、保険適用でピロリ菌検査を受けることができます。
ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌が陽性の場合、除菌治療を行うことで胃癌や胃潰瘍リスクを大きく減らすことができます。除菌治療は内服薬(抗菌薬+胃薬)を7日間服用するだけの簡単な治療です。
除菌成功率と流れ
- 一次除菌成功率:約90~96%
- 失敗した場合は二次除菌(薬剤を変更)
治療後は除菌成功の確認が必要です。当院では基本的には呼気試験で確認を行っております。
当院での内視鏡検査とピロリ菌管理
当院では「苦痛の少ない内視鏡検査」を行っております。ピロリ菌による慢性胃炎や潰瘍の状態を正確に診断し、必要に応じて除菌治療へとつなげます。
- 鎮静剤を使用した苦痛の少ない胃カメラ
胃の不調が続く方、ご家族に胃癌の既往がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q. 除菌すれば胃癌はならないのですか?
A. 除菌によりリスクは大幅に低下しますが、ゼロにはなりません。除菌後も1年おきの定期的な内視鏡検査をおすすめします。
Q. ピロリ菌の検査は保険で受けられますか?
A. 胃カメラで萎縮性胃炎などが確認された場合、保険適用になります。
Q. 子どももピロリ菌に感染しますか?
A. 感染する可能性はありますが、近年は衛生環境の改善により若年層の感染率は低下しています。
ピロリ菌が気になる方へ
胃の不調、胃がんが心配な方は、まずは一度ご相談ください。
当院では丁寧な診察と負担の少ない内視鏡検査で、ピロリ菌の有無をしっかりと診断・治療いたします。