大腸ポリープ
大腸ポリープとは?
大腸ポリープとは、大腸の粘膜に発生する隆起性病変のことで、いわば「腸の内側にできるいぼ」のようなものです。ポリープ自体は必ずしも悪性とは限らず、多くは良性ですが、なかには放置するとがん化する可能性があるものもあります。特に「腺腫性ポリープ」は大腸がんの前段階とされており、注意が必要です。
大腸がんは日本人に非常に多いがんの一つであり、女性ではがん死亡原因の第1位、男性でも上位を占めています。大腸ポリープを早期に発見し、切除することは、大腸がんの予防につながる非常に有効な手段といえるでしょう。
大腸ポリープの種類
大腸ポリープにはいくつかの種類があり、組織学的に分類されます。
- 腺腫性ポリープ:最もよく見られるタイプで、がん化のリスクがあります。大きさが1cmを超えると、がん化率も高くなる傾向があります。
- 過形成性ポリープ:良性とされることが多く、通常はがん化のリスクは低いですが、大きいものや右側結腸にできる場合は注意が必要です。
- 鋸歯状病変(SSA/P、TSAなど):近年注目されているタイプで、がん化リスクがあります。
- 炎症性ポリープ、若年性ポリープ:比較的まれで、がん化の可能性は低いですが、背景に腸疾患がある可能性もあります。
大腸ポリープの原因とリスク因子
大腸ポリープの発生には、遺伝的な要因と生活習慣が関与しています。以下のようなリスク因子が知られています。
- 40歳以上の年齢
- 高脂肪・低繊維の食事
- 野菜や果物の摂取不足
- 喫煙や過度の飲酒
- 運動不足・肥満
- 家族に大腸ポリープや大腸がんの既往がある場合
特に、第一度近親者に大腸がんの患者がいる場合は、通常よりも早めの検査が推奨されます。
大腸ポリープの症状
多くの大腸ポリープは無症状です。そのため、自覚症状がなくても検診で偶然発見されることが多くあります。ただし、ポリープが大きくなった場合や出血を伴う場合には以下のような症状が現れることがあります。
- 血便や便潜血陽性
- 下痢や便秘の繰り返し
- 便の形が細くなる
- 腹痛、腹部膨満感
こうした症状がある場合は、早めの内視鏡検査を受けることが重要です。
検査方法と当院の特徴
大腸ポリープの診断には、内視鏡検査(大腸カメラ)が最も有効です。当院では、最新の内視鏡機器と経験豊富な医師により、苦痛の少ない大腸内視鏡検査を提供しています。鎮静剤を使用することで、ウトウトしている間に検査を終えることも可能です。
検査中にポリープが発見された場合、その場で切除(ポリペクトミー)を行うことが可能で、通院での日帰り手術にも対応しています。
ポリープ切除後の注意点
ポリープを切除した後は、出血のリスクがあるため、数日間は消化の良い食事をとり、激しい運動や飲酒を控えていただく必要があります。切除されたポリープは病理検査に提出され、良性か悪性かを診断します。検査結果に基づいて、今後の検査の頻度や注意点をご説明いたします。
定期的な内視鏡検査が大腸がんを防ぐ
大腸ポリープの段階で切除できれば、大腸がんを未然に防ぐことができます。特に40歳以上の方や、家族歴のある方は、1〜2年ごとの内視鏡検査が推奨されます。
また、過去にポリープを切除した方は再発しやすいため、定期的な検査を継続することが大切です。
当院の取り組み
鶴見小野内科・内視鏡クリニックでは、地域の皆さまに安心して検査を受けていただけるよう、プライバシーに配慮した検査環境、丁寧な説明、迅速な対応を心がけています。検査が不安な方には事前の面談や相談も可能です。
まとめ
大腸ポリープは、無症状のうちに進行することが多いため、症状がなくても定期的な検査が重要です。特に40歳を過ぎた方や、ご家族に大腸がんの既往がある方は、早めの大腸内視鏡検査をおすすめします。
当院では、苦痛の少ない内視鏡検査と、日帰りでのポリープ切除を実施しています。気になる症状がある方、健診で便潜血陽性と言われた方、以前にポリープを指摘された方は、どうぞお気軽にご相談ください。